私の会社はシステム開発会社ということもあり、就活生から”普段どんなことしているのか?”を良く聞かれます。我々も結構古参の部類に入ったので、いま持て囃されているテック系企業をイメージされると少し違うかもしれませんね。
この手の質問受けた時は、仕事の内容よりも働く人にフォーカスを当てた方がイメージしやすいかなと思って、『こういう人が活躍しているよ』と話することにしています。
就活生は真面目なので関心持って聞いてくれるのですが、社内でも同じ話をしたときに評判が良かったので、本記事でもお伝えしようかと思います。
我々の会社の体制はシステム開発部門が半数以上を占め、残りは商品企画・営業・経理という構造になっています。新入社員はほぼ全員開発経験するため、『こういう開発者が活躍しているよ』という話します。
1.喩える力
最初にコレ?と思うかも知れませんが、一番重要な素養だと思ってます。
それはシステム開発会社の多くは顧客企業を相手にしており(BtoB)、顧客の売上を伸ばすためにシステムを提供する形態を取っているため、どこまでが売上貢献しているかを正確に把握することはできません。(導入前後比較で評価している会社もいますが、あれは完全に嘘です)
顧客側の販売戦略に我々のシステムをどう組み込むのかが重要なファクターであり、この時に求められるのは顧客が理解できる言葉に変換して説明できるかが重要です。これが喩え力。
2.黙って耐える力
これも誤解を生みますが、最後までお客さんの話を聞こうねということです。
優秀な人ほど説明したがるので、顧客の理解が追いついてない内に新しい情報を入れると誤った理解をされるケースが非常に多いです。
また、重要な決断ほど一方的な説得で顧客の意思が変わることはありません。一番固い決断というのは、”自分の頭で決断したもの”です。
3.仮説を立てる力
我々システム屋は100の価格で提供しても、顧客に100の価値を与えるとは限りません。むしろその逆となるケースが多いです。最終的に数字を示さないと価値を評価できないので、
『達成可能かは分からないが、ある仮説に基づくと価値を定量的に変換できる』
ということが重要となります。
・マーケットにはこういうニーズがあり、トップシェアである△△でも企画を始めている。
・海外でも同ドメインにおける規模と成長率はXXある。
・同水準で照らし合わせると、国内の潜在市場規模は○○億を見込める。
このような仮説を立てられないと、ビジネスとして成り立ちません。
4.汎化する力
サービス提供者と顧客の関係は認識齟齬が起こることを前提としているので、長い打ち合わせが多いです。確認事項が多くなりすぎて、本当に重要なポイントが目立たなくなることが良く起こります。これまでの経験上、1つの会議で伝えたいメッセージは2,3が限界です。
メッセージを2,3に絞った時に、他の確認事項をどう汎化させるかを考えることが重要で、汎化できない場合は会議を分けた方がいいのかも知れません。
5.フォーマット化する力
作業効率が最も高いのはコピー&ペーストです。
逆に一番大変なのはコピーする元を作ることです。どんな場面でも使える原本でないと困る訳なので、これを設計する力は日頃の積み重ねが必要と言えます。
まず自分の作業を定型化して、人に引き継ぐことができれば(コピー&ペースト)は正常に行われたと言えます。自分が楽したい人は、作業を振ったり・引き継いだりするための仕組みを考えているので優秀な人が多いです。(一概には言えませんが)
6.失敗を恐れない
最後は精神論になってしまいますが、最初から結果が見えている仕事は実は評価されません。
誰もがどうやって取り組むのか分からない仕事に手を挙げるのが大事です。最悪なのは誰も手を挙げない仕事を強制的にやらされることですね。
私の会社では、”失敗するなら人が見てる前で失敗しろ”という格言があります。人がやりたがらない仕事ほど、積極的に取り組むと周りがサポートしてくれる可能性が非常に高いです。
7.まとめ
いかがでしょうか、以上の6つの素養が重宝されるよと学生さんにはお話してますが、社会人になっても実践できないこと多いんじゃないでしょうか?
- 喩える力
- 黙って耐える力
- 仮説を立てる力
- 汎化する力
- フォーマット化する力
- 失敗を恐れない
キャリアを重ねても、周りが同じ人間であれば暗黙ルールが積み重なるだけで、能力が高くなるわけでもありません。
常に新しい環境で、これまでの力を磨き続けるのが重要かなと思います。
私も頑張ります!!
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