さて、昨日晴れて開業届を提出し、無事に承認が通れば個人事業主となります。
いまのところ収入見込みが0なので、そろそろ仕事を探さねばなりません。周りに副業を斡旋してくれる便利な人が居ない限り、クラウドソーシングが一番手っ取り早いと聞きます。
会ったことも無い人たちからどうやって案件取ったり、仕事進めたりするの?という疑問から、黒い噂みたいなものがクラウドソーシングにはあるようで、少々抵抗感があるのも事実。
しかも私のように40代オーバーの人間には心理的ハードルが高く、なかなか踏み込めない方も多いと思うので、実際にクラウドソーシング経験してみて、結果を報告してみようと思ってます。
事前に何の作戦も立てないまま突っ込むのはあまりに無謀なので、この記事の中で事前作戦を練ってみたいと思います。
副業ではプログラミング(Web系)を軸に考えていますが、TechAcademyも1/3くらいしか終わっておらず、実践投入はまだ先になりそうです。そんな私がクラウドソーシングで副業するならこんな作戦を立てますというのを書いてみます。
1.私のスペック
私の経歴と現在のスペックを書いてみます。
- 大手システム開発会社に勤めるサラリーマン。決済ASPサービスの商品開発を担当しており、数々のプロジェクトマネージャーの経験あり。
- バックエンドの開発がメインであり、またコーディング経験は全く無い。
- 謝罪文や報告書などの公式文書は数々書いてきたが、非公式文書が非常に苦手。
- 対面コミュニケーションの方が得意。顔の見えないリモート会議やメールでの意思疎通は苦手。
- 一つのことに没頭しやすく、時間を掛けすぎる傾向あり。
特にこれまでの経歴やスペックからプログラマーを副業に選んだわけではなく、作ったものが目で見て分かるという職業であれば何でも良かった、という程度です。
2.クラウドソーシングとは
説明する必要はないかと思いますが、仕事を募集したい発注者側と仕事にありつきたい受注者をマッチングさせるプラットフォームになります。
特に個人は営業力が無いので、こういうプラットフォーム上で企業案件を掲載して、要件を満たした人が応募する形になっており、買い手市場になっています。大学の頃にバイト募集していた学生相談所を思い出します。
有名なのは以下の3社のようです。
- クラウドワークス: 国内最大のクラウドソーシング。案件数200万件以上/クライアント数25万
- ランサーズ: 案件数はクラウドワークスと並ぶ、AIによる案件の適正価格評価が良い
- WorkShip: 案件数は全然少ないが、クライアントの顔が見える良サイト
私は上記全てに登録しています。
3.クラウドソーシングに対する不安とは
小泉内閣時代(正確には竹中平蔵)に大幅な労働派遣法の規制緩和があり、首の切れない正規社員の代わりに非正規雇用が大量に増加する要因を作りました。
クラウドソーシングは非正規雇用の受け皿としてできたようなものであり、非正規雇用という働き方が完全に浸透しているわけでは無い日本においては、なんとなくグレーな印象があります。
実際に起こったものかはわかりませんが、SNSや個人的なクラウドソーシングへの不安を調べてみると
(1)発注者に無理難題を押し付けられる
発注者側も相場が良く分かっておらず、制作会社より安いからクラウドで頼もうという発想の人がいるようで、Twitterやnoteでもいくつか報告が挙がっています。
発注者自体に要件が良く分かってないケースや納期直前に仕様変更や機能追加を押し付けられるというケースもあったようです。
おそらくクラウドソーシング事業者側が間に入るか入らないか微妙なラインだと思いますね。本質的に立場の弱いプログラマーが発注者に舐められているのが分かりました。
受注者側も顧客を選定する必要がありそうです。
(2)価格破壊が起こっている
何故か”クラウドソーシングは稼げない”というキーワードが目立ちます。あまり適正価格が分かってませんが、さすがにLPで1万切るのは安すぎだろう。。という感覚はあります。
クラウドソーシングの世界ではお互いに顔が見えない分、過去の実績がとても大事なようです。確かにどうしても実績を作りたい人は初回の価格を極端に下げるし、発注者側もそれが相場だと勘違いするのかもしれません。実態としてクラウドソーシングの報酬相場は、Web制作会社に頼む時の1/5程度のようです。
こちらも相場感と乖離していないかは正しく見積もりを取り、事前に発注者側にコストが大ブレする要素を事前確認することが必要だと思います。
(3)クラウドソーシングが手数料を取りすぎる
大体10万円以下の案件では手数料20%が相場です。所得税・住民税・社会保険を鑑みると、一般的なフリーランスは無条件で50%搾取される構図になりますね。
なるほど、年収1000万といっても手取りは500万になるのか。全然羨ましくないじゃないか非正規雇用!! それにしてこのシステム良く考えたな竹中平蔵。。結局パソナやクラウド系の人材マッチング事業者がノーリスクで上前はねていくのですね。
話は逸れましたが、クラウドソーシングにおける20%手数料はそれに見合ったサービスなのか?が重要ですよね。
- 初心者でも出来る案件が豊富
- クライアント未払いを防止する仕組みがある
- 請求書を発行
- AI適正価格判定(ランサーズ)
なるほど、これだけか。
構造が良く理解できなかったので、例としてランサーズのIRを見に行きました。赤枠で囲ってませんが、販管費が大幅に増えており、売上総利益を食いつぶす構図になっています。
-ランサーズ(2021 3月期第2四半期決算) <https://www.lancers.co.jp/ir/library/presentations/>-
ところが、クラウドソーシングの世界は総売上の9割が指名された受注者・1割がいわゆるクラウドソーシングで自由に出入りする受注者の構造なので、販管費が掛かる理由が見当たりません。(全体の9割は安定した取引)さらに取引先のクライアントも増えていないので、先行投資的な支出が大半を占めるのではないかと思います。よく読むとIRにもそう書いてました。
いずれにせよ、手数料20%かかる根拠もなく、またそれに見合ったサービス改善も見えませんでした。(サービス改善を求めるのは全体の1割だし)
こういう背景から、あくまでも実績作りとしてのクラウドソーシングはアリとしても、将来的に付き合い続けるプラットフォームではなさそうです。
(4)20代ー30代の若手と競争しなくてはいけない
競争する前に年齢で足切りにされる公算は高いです。発注者がITリテラシが低いのであれば、使い勝手の良い若手を採用するのは目に見えてます。もう人間力で戦うしか無い気がしますが、それもあっさり負けそうです。
思い切って若手の来ない場所で戦うしかなさそうなので、ちょっと考えてみます。
よくYoutubeでは、”Webサイト開発だけでは案件は取れない、集客のためのブランディング、SEO対策、マーケティングをセットで提案すると有利” という解説が散々流れているので、遅かれ早かれココも抑えられるでしょう。これまでの私の経歴を組み合わせると以下の戦略が良いかと思います。
- 個々の開発事業者を束ねて開発ユニットを提案。マネジメント力をアピール。営業、デザイン・マーケティング、コード開発、マネージャーの構成が望ましいが、仲間ができるまでは我慢する。
- 決済系サービスには強いので、加盟店にECを積極的提案。ただし個人情報保護やセキュリティ対策に掛かるリスクを回避するため、決済機能はShopifyやBase等の既存サービス連携し、発注者に代わって彼ら(外部決済事業者)との仕様調整・運用調整の窓口となり、プレゼンスを高める。
- クラウドソーシングは使わない。
結局単純な技術力では敵わないのは分かっているので、これまでの経験でしか戦える武器はありません。
仲間も集めないといけませんが、それこそクラウドワークスみたいなリモートだけの人間関係では信頼を得られそうにありません。これは何かしらのコミュニティに参加するしかなさそうですね。。。。皆さんどうやって知り合ってるのでしょうか?
4.まとめ
結論、本業と何も変わりません。如何にリスクを排除して、どこにリソースを割り当てるかが明確になれば、作戦立てられそうです。
たくさん課題はありましたので、課題と対策をおさらいします。
(1)発注者リスク: 発注者リスクを定量評価するための基準を設ける。
- 発注率実績は80%以上。
- 過去の受注者からの評価。
- 横柄な態度、事前のコミュニケーションが雑な発注者は避ける
- 開発環境、納品ツールの提供があること
- 要件や納品後のサポートに”分からないので相談して決めたい” と書いてないこと
(2)価格破壊リスク:スタンスを決める。
- 1社目は実績作りのため、納期猶予を優先する。
- 2社目は実績と合わせた見積書をベースにする(時間給3000円は切らない)
(3)不当な手数料搾取リスク: クラウドに頼らない
- クラウドソーシングは実績と仲間作りと割り切る。
- Web制作代理店案件を優先して、コネクションを築いておく。
- プログラミングのコミニティに入る。
(4)若手との競争:個人ではなく団体戦
- 個人では戦わない。とにかく懐柔する。
- 本業でのプロジェクトマネジメント経験を全面に出し、短期から長期案件を受注する。
途中、だいぶ話が逸れてしまいましたが、クラウドソーシングはビジネス構造が闇です。善良な若者が搾取され続ける構図になっています。このようなプラットフォームに頼らずに生きていくには一人では無理があると思いますので、一緒に戦うメンバを探してみたいと思います。
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