【映画レビュー】マネー・ショート-華麗なる大逆転-(2015米)

映画

いまの時期に観るのがちょうど良い映画です。

1.あらすじ

2008年の住宅ローン破綻に端を発したいわゆるリーマンショック。その舞台裏で好景気に湧くアメリカ経済と忍び寄る破綻の匂いを嗅ぎ取った金融トレーダー達の物語。

ある日、天才金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)は、格付けの高い不動産抵当証券に信用の低いサブプライムローンが組み込まれていることに気付く。マイケルはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という金融取引で、大規模な空売り(将来値下がりすると儲かる)を仕掛ける。同じころ、若き銀行家ジャレッドやマーク、引退したベン(ブラッド・ピット)もまた住宅バブル崩壊の匂いを察知し、行動を開始する。

2.感想

金融をテーマにした映画は用語を理解していくうちに途中でついていけなくなることが多いのですが、この作品は金融用語が分かってなくても楽しめる映画です。

とにかく観客が引っかかりそうなポイントに差し掛かると、わざとらしく用語の解説をしてくれます。何の脈絡もなく入浴中のマーゴット・ロビーがシャンパンを片手に住宅ローンの危険性を解説してくれるシーンは笑えます。

実話をベースにした映画なのでエンディングは分かっているのですが、登場人物の個性がしっかり立っていて、最後まで飽きずに観てられます。

映画のテンポがコメディに近いのですが、金融市場は虚像である・振り回されるのは移民・貧困層だとちょいちょい説教臭くなるは狙った感じ冷めます。

金融市場に疎い人も十分に楽しめる映画かと思いますが、リーマンショック当時を知っている人は”こんな事情があったのか”という発見がいくつかあるので、最後まで飽きさせません。

(モルガン・スタンレーが黒幕として実名で出ていますが、日本では考えられないですね)

3.印象的なシーン

お互いに手の内を読み合う対話のシーンになると、敢えてカメラを手ブレで緊張感を引き立ててます。あたかもその場に立ち会ったような感じです。

ずっと気になってたのですが、天才ディーラー役のクリスチャン・ベールは”アメリカン・サイコ”の主演だったのですね。本当にイケメンだったのに、、芝居の本質的なところは変わっておらず、是非、彼の怪演を観てほしいと思います。

マーゴット・ロビーやブラッド・ピット、セレーナ・ゴメスといった超メジャーがしれっと出演していますが、本編を邪魔しない出方をしてます。

4.こんな人にオススメ

この映画で終始描かれているのは、これまで信じてきたものはあっけなく崩壊するという警告です。住宅ローンを借りている人も、住宅ローンを金融商品として販売する人も、この景気が一生続くと信じてやまない姿はコミカルに映ります。

いま世界的な金融緩和により、実態経済では想像がつかないくらい株価市場が沸いており、まさしく同じ状況にいるのではないかと思います。しっかりと現実を見据え、何を信じ、何を優先すべきかを冷静に考えるにはちょうど良い映画です。

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