40代から学ぶ簿記(3級ならば大丈夫かも)

副業

株式投資を勉強しはじめて、改めて企業分析の重要性を感じています。

S&P500やVTIがメインですが、いまではGAFAMを筆頭にいろんな個別株に手を広げています。

企業が伸びるのか・傾くのかは決算書からある程度判断しないといけませんが、いまいち数字からでは企業活動がイメージできず苦労しています。

決算書は日米で共通言語なので、簿記から勉強してみようと思い、先日から勉強をはじめました。いきなり簿記2級から始めるのはハードルが高いので、簿記3級から基礎の基礎を勉強しはじめました。

結構勉強時間を工面しましたが、学習を初めてから1週間で簿記3級に合格したので、試験の概要や自分なりの学習方法について紹介します。

1.簿記3級の試験概要

簿記3級ってどんな感じかをお話した方が良いかと思うので、概要と試験範囲についてご説明します。

1)簿記の試験概要

試験科目: 商業簿記2級

制限時間: 60分

テスト方式: 紙試験orオンライン試験が選択可能

合格基準: 70%以上

受験料:  2,850円

公式サイト: <https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3>

 

2)出題範囲

基本的に簿記3級試験は大問が3つの構成となっています。

①仕訳問題

基本的な仕訳が15問程度で、テキストを一通りこなせば及第点は取れる問題。

また、勘定科目が選択式になっているので、科目名が思い出せないこともありません。

仕訳問題専門のアプリもあり、出題傾向もわかるので、とにかく繰り返し問題を解くことが重要です。

②帳簿/勘定記入

まず問題文どおりに仕訳を行い、ルールに従って回答欄に記載する必要があるので、帳簿や精算表の書き方ルールを学んでおく必要があります。

特に簿記で扱う帳簿・精算表は種類が多いので、出題傾向の高いものから勉強していくのが良いかと思います。

総勘定元帳(勘定科目ごとの記帳)問題と、仕訳実績から更新が必要な補助簿(現金出納帳や商品有高帳など)を選択させる問題の2つか出題傾向が高いです。

③財務諸表

決算時の情報から、損益計算書及び貸借対照表を完成させる問題になります。

毎回出題される問題のようですが、取り扱う数字が多く1、2つは計算間違いしてしまう可能性が高いようです。検算も含めて30分くらいはかかると見たほうが良いかと思います。

2.実際の勉強方法

簿記3級の学習期間は1週間で、一日3時間くらいテキストと問題集をこなしていました。

時間も無いのでテキストは2周し、アプリと模擬試験で同じ問題を4,5回繰り返ししました。

会社の業務で見積もりをとったり、決算書を読んだりしていたので大丈夫かなと思っていたのですが、簿記固有の記載ルールに慣れるのに難儀しました。

3.とにかく仕訳がすべて

簿記3級の試験は大問3つの構成ですが、いずれの問題も必ず「仕訳」をしてから問題を解くことになります。簿記3級の試験は仕訳がすべてと言って過言ではありません。

仕訳というのは、企業の商業活動一つ一つを借方・貸方に分類することです。

例えば、

”商品Aを現金1000円で売り上げた”

という活動は以下で表現されます。

<借方>    /  <貸方>

現金1000円 / 売上1000円

<借方>は自分が得た「成果」、<貸方>は自分が払った「犠牲」という風なイメージです。

これに対して、”売上は月末の掛け払いとした” とか ”売上の一部を手付金で回収した”などのバリエーションが増えていくので、成果と犠牲をイメージしながら仕訳する癖をつけるのが重要です。

単純な仕訳は「成果」と「犠牲」をイメージしやすいのですが、中には肌感覚としてイメージしにくい仕訳もあります。昔は丸暗記できたかもしれませんが、どんどん記憶力が低下していくので構造を理解しておかないと記憶の引き出しが開かないことが多々あります。

個人的にイメージが難しかった仕訳は3点あります。

①未払金・前払金

まだ支払が完了していない未来の支払いをどう仕訳するのか?先に支払った未来の支払いをどう仕訳するのか?

②減価償却

資産(建物、備品)が年々価値が下がってくる。下がってくる価値をどう仕訳で表現するのか?

③税

法人税、消費税など、期中に発生した税(仮払)と決算時に確定後したあとの未払税をどう仕訳するのか?

いずれも試験の第3問で出題され、勘違いして計算を誤り易いポイントなので、ココを押さえればあとはなんとかなるかと思いました。

4.簿記の勉強に役立ったもの

簿記3級であれば、かなり豊富に参考書や解説動画があるので、独学でも十分合格できるかと思います。ここでは約に立ったものについて紹介します。

1)テキスト

Youtubeやネット解説記事でも十分な勉強になりますが、初めての場合は簿記3級の全体像がつかめなかったりするので、結局テキストを購入しました。

・「パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級」

簿記を初めて勉強する人向けの参考書になっていて、具体的な事例から仕訳の考え方や精算書や財務諸表の書き方まで順を追って解説してくれます。

付録でネットでの模擬試験や解説動画(Youtube)を用意しているので、オンラインスクール並のサポートかなと思います。

ネットやYoutuberの方々から評判が良いのは、滝沢みなみさんの

・「みんなが欲しかった!簿記の教科書 日商3級」

みんなが欲しかったシリーズは評価が高く、初心者が躓きやすいポイントも押さえた上で、より詳しく解説されていますので、3級→2級→1級でステップアップを目指されている方には良いテキストかと思います。

2)アプリ

スキマ時間はアプリで仕訳問題を徹底。

 ・パブロフ簿記3級Lite

 ・簿記3級 解説付き問題集

いずれも仕訳問題のみに特化したアプリで、無料で利用できます。

「パブロフ簿記3級Lite」は問題が素直で、サクサク進みますが、「簿記3級 解説付き問題集」は勘定科目を正確に選択しないといけない(『未払金』→『未払給料』※未払金は継続的な契約の科目にはふさわしくない等)ので、結構ストレスが溜まります。

3)Youtube

・簿記系Youtuber?ふくしままさあき

簿記系のYoutuberとしては登録者数No1らしく、結構有名な方かと思います。

テストに出る問題だけではなくて、考え方や背景についても解説されています。簿記3級だけでも全24回あるので、私は途中で挫折しました。

簿記2級くらいから急激に難易度が上がるので、しっかりと基礎を学びたい方は2級の勉強から視聴するのがよいかと思います。 

4)それでも不安ならオンラインスクールもあり

独学でも問題はないのと思うのですが、簿記は勘違いして覚えてしまうケースが多々あり、何問も問題を解いてみて初めて理解できるものが多いです。

なので、合格までの最短距離を選ぶのであれば、スクールに通うこともアリかと思います。

オンラインスクールであれば、移動時間もかからないし、好きな時間で学べるし、チャットでいつでも質問することができます。

オンラインスクールで有名なのが「クレアール」で、簿記以外にもいろんな学習パックがあるので、一度覗いてみてください。

<https://www.crear-ac.co.jp/boki/>

5.オンライン試験

簿記2級、3級の試験はオンライン試験で受験することができます。

オンライン試験はほぼ毎日開催されているので、これまでの紙試験のように何ヶ月も次の試験を待つことはありません。また、試験3日前まで申込みができるので、自分が受験したいタイミングで試験を受けることができるのがメリットかと思います。

試験会場も日時も自分で選べるので、時間がないサラリーマンにとっては非常に受験しやすいかと思います。

オンライン試験については、日本商工会議所管轄のサイトから申込みできます。

<https://ijuken.com/prod/user/jcci/public/>

1)オンライン試験の流れについて

・試験会場で受付を済ませると、電卓・身分証明書以外の私物をロッカーに預けて、試験ルームに案内されます。

・中に入るとパーテションで区切られたデスクが並んでおり、席に着いて目の前のPCを操作して、IDとパスワードを入力すると試験開始となります。

試験開始時間前でもスタートするので、自分が問題解いている間にも人が出入りしてきます。気になる人はヘッドホンが備え付けられています。

・「試験終了」のボタンを押すと、即時に採点され、合否結果がPC画面に表示されます。

教室を出て受付に向かうと、デジタル合格証書のQRコードが載った紙を渡されます。これで試験は完了です。

2)感想

結構自信があったのですが、最後の問題(財務諸表)で計算間違いしてないか気になって何度も検算していました。意外と試験時間60分が短く感じられますので、第1問・第2問をいかに素早く回答するのがポイントかと思います。

結果82点で合格しましたが、第3問の仕訳計算を一つ間違えれば不合格になる可能性もあったので、結構ギリギリのラインだったと思います。

5.まとめ

簿記3級レベルでも馴染みのない用語が出てきたりするので、イメージを掴むまでに時間がかかりました。まだまだ勉強不足ですが、こんな感じで決算書が構成されているのかと分かってからは勉強が一層楽しくなります。

簿記は世界共通の言語でもあるので、英語を学ぶよりも海外企業の分析に適しているのではないかと感じます。

もともとの目的が決算書分析なので、次は簿記2級にチャレンジしてより深い企業会計を学んでいきたいと思います。

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