最近になって株式投資に興味がある方がいらっしゃるかもしれませんが、米国株投資まで手を広げている方は意外と少ないようですね。海外株式のニュースって積極的に拾いに行かないといけないし、為替リスクもあるので、面倒になるのかも知れません。
私も10年くらい米国株投資を続けており、いろいろ勉強しつづけた結果、日本株より安定したリターンを出しています。
本日は、米国株投資のメリットやその理由、失敗しない方法や企業分析の仕方について解説していこうと思います。
1.なぜ米国株なのか?
(1)日本株より成長している
日本株と米国株の成長率を比較すると一目瞭然ですが、日本株と米国株の成長率は全く違います。日本株市場はほぼ横ばいですが、米国株は長期的に見て右肩上がりになっています。
(2)米国株が強い理由
これまでの投資経験を踏まえて、米国株が強い理由を3点挙げます。
・企業や政治に対してシビアである
長年見てて思うのは、米国民の株主は企業に対する要求が厳しいです。
業績が悪化や減配などのニュースが報じられれば総攻撃し、すぐに更迭されます。
実際に25年以上増配し続けている米国企業は何十社もありますが、日本では花王のただ1社。
歴代大統領のポリシーを見ても、常に株価を上げるための施策(景気対策)を最重要課題としており、国民全体が企業・政治に対して厳しい目で監視しています。
JTの減配ニュースを同情の目で受け止めている日本人とは結果に対するメンタリティが違います。
・アメリカ人口増加と経済成長
日本はかねてより少子高齢化が進んでおり、年々労働人口が先細りする傾向にありますが、米国は理想的な人口比率となっています。また人口増加率は世界で9番目という予想されています。人口増加は国内消費の拡大に直結するため、今後も経済成長が持続することが予想されます。
(左図が日本、右図がアメリカ)
・世界のマーケットを牽引
時価総額で比較すると、NY証券取引所(3000兆円)/ナスダック(1000兆円)と、日本取引所(570兆)、上海(500兆)と桁が違います。
また、中国をはじめとした海外企業もNY・ナスダックに上場しており、世界中の企業とマネーがアメリカに集まっています。
この競争力の高さと、注目の集めやすさが米国株市場を底上げする最大の魅力です。
2.失敗しないためには?
個別株投資をはじめたばかりの頃は結構損失を出していたので、日々情報を集めてデイトレのように板に張り付いて消耗してました。
さすがに現実的には無理なので、失敗しない基本的なルールを紹介します。
(1)長期保有を目的とする。
短期相場は読めません。セクター全体ならまだしも個別株では無理です。
私が銘柄を選定するときには、少なくとも1年先までホールドしておくつもりで銘柄分析します。
目先の数%の値動きに囚われて、大きなリターンを見逃すことほど勿体ないことはありません。
企業の実力(ファンダメンタル)をしっかりと見極めましょう。
(2)市場全体を分析し、投資タイミングを見計らう
『金持ち父さん・貧乏父さん』の金言に、”投資のコツは【買ったときに利益が出ている】こと”というのがあります。
”何を買うか?”の前に、”いつ買うか?”というのが投資には重要で、次に上がることが予測できれば幾らだろうが、買えばいいわけです。
ただ、株価が上がる傾向か下がる傾向かは、市場全体を俯瞰してみないと分かりません。
例えば、
- 米国の長期10年国債利回りがありますが、これが高くなると株券よりもリスクが低い国債へ流れ込むのは当然なので、株価下落基調になります(米ドルも買われるのでドル高)。
- 日本では日銀がETFを直接購入しており、現在日本株式の最大株主となっている歪な構造です。売却リスクが高すぎるので、私は日本株を組み入れるのを避けています(投信のみ保有)
こういうマクロな情報を抑えておかないと、次どちらに傾くかを予測することができなくなります。
(3)投資対象の企業を分析する。
投資対象が成長企業かどうかを分析することは、投資後も”ホールド”or”売却”を判断するために必要になります。
今後も継続的に売上が上がり続けるだろうか?利益が出続けるのか?という地に足の付いた投資分析が一番有効なアプローチだと確信しています。
3.市場全体を読むための情報リソース
コロナでガツンと下がりましたが、実態経済とは別に株価が大きく上昇していきました。
ニュースを読んでいると、直感的にはバッドニュースと感じても株価に影響しないニュースが沢山あります。日々ニュースを流し読みしながら、株価に影響するものしないものを見極めるトレーニングしていくのが大事です。
特にFBR議長の発言(国債利上げ、量的緩和引き締め)、債権市場動向(株式市場のライバル)、雇用統計(コロナからの回復具合)については、株式市場にダイレクト影響するため、毎日チェックするとよいです。
私が毎日チェックしているニュースサイトを紹介していきます。
英語サイトについては、Chromeの拡張機能を使えば、サイトごと英語→日本語翻訳できます。
あと、見たことあるかもしれませんが、各米国株の時価総額を面積で示したサイトを紹介しておきます。セクター別に表示されており、とても見やすいですよ。(finviz.com)
4.企業を分析するための、決算の読み方
米国企業は世界を代表する企業が沢山ありますので、会社の決算を眺めているだけでも楽しい。
一般的に上がり続ける個別株には以下の特性があります。要チェックです。
- EPS(1株利益)が コンセンサス予想(アナリスト予想)を上回る
- 売上高が前年度を超える。また、コンセンサス予想を上回る
- ガイダンス(次期以降の予想)が、コンセンサス予想を上回る。
最悪、この3つ(EPS、売上高、ガイダンス)は読めるようにしましょう。四半期ごとの決算から、上記の1.〜3. をチェックしておけば、ホールド・売却の判断ができるようになります。
肝心の決算書の読み方ですが、まず、米国証券取引委員会が開示しているEDGARというサイトから閲覧できます。
(1) 検索欄に企業(ピッカーコード)を入れる。(AppleならAPPL)
(2) documentをチェックする
Formに10-Kとありますが、10-Kは(年次決算)を意味します。(ここでは表示されませんが、8-Kは決算短信に近い速報を意味します。)
Documentをチェックすると、決算レポートが表示されます。ずっと下まで見てもらえると、損益計算書が表示されます。
単位は百万ドルです。ここから読み取れるのは、
- 売上高は前年度を更新し、2745.15億ドル(27兆円)
- EPS(一株利益)が3.31ドル
冷静に見るととてつもない売上ですね。ちなみに直近の四半期決算で1000億ドルをオーバーするという過去最高業績を叩き出しています。
いずれにせよ、これらの売上高、EPSがコンセンサス予想を上回るか否かが今後の株価の推移を占う指標にはなります。
5.米国株オススメの証券会社
初心者でもオススメの証券会社は、やはり手数料の低いところでしょう。
小口の売り買いを繰り返すと、手数料がバカにならないので要注意ですが、DMM証券以外は基本的に手数料は変わりません。
※DMM証券 (取引手数料は0だが、取り扱い銘柄が少ない1100銘柄)
国内の株式やNISA利用を考えているならば、SBI証券か楽天証券の2択です。
いずれも取引手数料は約定価格(売・買の成立した金額)に対して0.5%程度です。
この2つに関しては遜色が無いので、感覚的に使いやすそうなところを選んでもらえると良いかと思います。
(1)SBI証券:
特徴として、提携の住信SBI銀行は、為替コストが4銭(楽天は25銭)で済むため、
SBI証券ー住信SBI銀行を連携するメリットが強い。
(2)楽天証券:
スマホ用にiSpeedというアプリから売買可能。
米国株とは直接関係ないが、投信積立に楽天カードで設定しておくとポイントが付与される。
過去記事で投資信託を扱ってますので、そちらにもオススメ証券会社のポイントを解説しています。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
米国株投資するにあたってのポイントについて紹介しました。長期的な目線でみると、日本円の株式、貯金よりも全然安定した利回りになるかと思います。
ポイントについておさらいすると、
- 長期保有するつもりで投資
- 市況の分析(金利上昇・インフレ気配には要注意)
- 企業の分析(EPS、売上高、ガイダンスを最優先)
これをルールとして守るのが、安定した投資を継続するポイントになります。
みなさんのポートフォリオの中に米国株を含めると、色々勉強になって投資力が身につくと思いますので、オススメします。
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