副業で比較的に稼ぎやすいと言われるプログラミングですが、誰でも簡単に参加できるので案件単価の暴落が止まりません。ITエンジニアで副業できる案件ないかなと探していたところ、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)が意外に求人案件が多く単価が高いあることが分かりました。
ITシステム開発に携わっている方にとってはPMOは広く知られているのですが、実際の仕事内容や必要なスキルについてはイマイチ理解されておらず、意外に稼げるにも関わらず求人が埋まらない状況にあります。
最近ではリモート副業案件も増えており、案件単価もかなり高いものが多いので、フリーランスとしても始めやすいと思います。
本記事では、意外に稼げるPMOという職種について解説し、具体的な仕事内容について解説していきます。
1.PMOとは何か?
PMOとPM(プロジェクトマネージャー)が良く混同されますが、役割が異なります。
プロジェクトの陣頭指揮を取るのがPMで、PMOはマネジメントの下支えする役回りになります。
プロジェクトが進行していくと、いまの状態が良いのか悪いのか分からなくなります。なので、スケジュール、コストや品質という基準でプロジェクト状況を見える化していく必要があります。
沢山のメンバが開発していると、各々の進捗状況を記録するだけでも大変で、全体のスケジュールにどう影響するのかをタイムリーに捕捉することすら難しいです。
一昔前は、PMが一人で全メンバの進捗やらコストの予実管理をしていましたが、プロジェクトが大規模・複雑化すると一人では不可能です。PMOは進捗、コストや品質など大量のプロジェクト情報を取りまとめ、PMをサポートします。
PMOは大規模なプロジェクトになると十数名規模のPMOが導入されることもあります。
2.PMOは副業できるのか
プログラマーやAWSエンジニアには募集案件は多いですが、意外にもPMOも最も案件数が多いです。PMO専門で案件紹介している人材サイトもあります。
(1)PMO市場について
フリーランス向けの求人サイト『レバテック』でPMOとプログラマーを検索してみました。
月単価60~70万の案件が多く、規模や専門性によっては100万を超える案件もあるので、プログラマーよりも優遇されています。
出典:レバテック(https://freelance.levtech.jp/project/pos-5/)
(2)実際のPMO案件
実際の募集案件を見てみると、このような感じです。
出典:レバテック(https://freelance.levtech.jp/project/pos-5/)
職種内容にあるように、”見積もりの取りまとめ”・”全体スケジュール案”・”関連グループとの調整”など、プロジェクト全体の取りまとめをします。
フルリモートではありませんが、一部リモートは許容されているので、比較的に働きやすい環境かと思います。だいたいプロジェクト案件は半年~1年なので、1000万超えることも難しくはありません。
3.必要な資格やスキル
PMOはプログラマーやネットワークエンジニアと違って、開発や環境構築スキルが必須というわけではありません。プロジェクトマネジメントというと結構仕事内容が?なところですが、実際は関係各所から情報を集めて資料化する作業がほとんどです。
(1)必要な資格
必要な資格というものはありませんが、米国のプロジェクトマネジメント協会のPMIが『PMP(Project Management Professional)』と呼ばれる資格が有名です。3年毎に更新が必要となりますが、この資格があると求職時に結構有利です。
他にも、IPAの『プロジェクトマネージャー試験(PM)』や日本PMO協会の『PMOスペシャリスト認定』、日本プロジェクトマネジメント協会の『PMS資格』、『PMR資格』など、運営団体毎に様々なPMO資格があります。
(2)必要なスキル
PMOにはコーディングができなくても仕事ができます。難しいセキュリティ認証方式やAWS環境のセットアップを知らなくても支障ありません。ある程度、開発や営業と会話できるようになるには、一般的に知られている範囲でIT知識を学んでおく必要がありますが、取り急ぎExcelが使えれば問題ありません。
それよりもコミュニケーション能力が重要です。
PMOは社内外のいろんな方と調整する必要があります。業務やテクノロジーに精通しているよりも、いろんな人と上手く会話出来る能力が必要です。
プロジェクトのメンバから見るとPMOが何をやっているのか分かりにくく、単純に課題管理簿や進捗管理簿に記入を促す人程度にしか写りません。普段から話しかけやすい雰囲気
PMOやPMは過去実績を問われるので、どれだけ大規模で難易度の高いプロジェクトを経験したのか、どんな分野(インフラ、コールセンタ、Saas、EC)をやってきたのかというのがポートフォリオとして重要なので、資格とともに過去実績も整理しておりくと求職時に便利です。
4.PMO仕事の流れ
PMOは、”情報を集める”・”分析する”・”報告する” の3点に集約されます。
だいたい週1回プロジェクトメンバを集めて、進捗と課題の報告してもらいます。
進捗報告をまとめるのって結構大変で、
『Aという作業が○○まで進んだ』という報告ではなくて
『Aという作業が○○遅延していて、そうなるとBが○○まで着手できなくて、お客さんとのRVに間に合わないです』
と、報告なのか相談なのか分から無い内容であったり、そもそも”A”も”B”も出てこない内容だったり、開発者だけで通じる”暗黙知”みたな言葉があるので、何をどう取りまとめてよいのかわからないということが多いです。
なので、PMOの仕事は、最初に”ルール”を決めることになります。PMO自体が分析・報告しやすいように、進捗報告のやり方・課題管理簿への記入要領・問題発生時のエスカーレションルートなどのルール定義していくことが重要となります。
自分でルール設定しないと、PMから指示された通りに動くことになるので、作業が後手後手に回ります。PMOタスクがオーバーフローするのはほぼコレが原因です。
5.PMOのキャリアプラン
”PMOは使えない”という印象があり、特に”ITディレクター”・”PMO”というと軽く見てくるクライアントはいます。昔から、ITコンサルという名目でこういった人材をプロジェクトに導入したものの、うまくワークしない事例が多数あったので、いまだに懐疑的な目で見てくるクライアントも多いのが実情です。
社内プロジェクトでも定年間際の社員やBPが回されるものPMOなので、逆に真面目にマネジメントしようとすると一気に評価があがります。
まずPMOのキャリアは、進捗管理簿と課題管理簿を更新することから始まり、信頼と実績を積んでから、プロジェクトの様々な運営ルールや品質・コスト指標を設定するようになります。ある程度経験を詰めれば、様々な業界プロジェクトで実践を積んでいくことをオススメします。最近はITコンサルの主要業務がPMOという話もあるので、コンサルティングファームへの転職も視野に入れていいかも知れません。
まずはリクナビNEXT などの無料会員登録からはじめるのも良いかと思います。
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